粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

メカノケミストリー

mechanochemistry

 力学的エネルギーと化学的エネルギーとの相互作用を扱う化学の一分野。電気化学,光化学や放射線化学などと同列に属するが,発達の遅れからこれらに比較して,はるかにわずかしか知られていない。固体に関しては,粉砕などの操作にともなって起こる,サイズの微細化や比表面積の増大など幾何学的因子以外の変化をまとめてメカノケミストリーの対象とすることが多い。メカノケミストリーは,固体化学の重要な一部でもある。すなわち,固体化学では,構造と反応性との対応を問題とするが,メカノケミストリーは,固体の構造の,より積極的な変化をその対象としている。結晶格子の攪乱や無定形化,もしくはダングリングボンド密度の増大などにともなって起こる物質移動は,メカノケミストリーの典型的な対象である。その結果,溶解や焼結速度の増大,気体の吸着や吸蔵能の増大,周囲の気体もしくは溶液との反応速度の増大,共存固体との付加反応などが起こる。

→ メカノケミカル効果トライボケミストリー

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/11

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