粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

徐放性製剤

prolonged-release, sustained release, repeat-action dosage form

 一度の服用で作用が持続するように製剤からの薬物の放出が工夫された製剤をいう。徐放性製剤には,

  1. 薬物が長時間にわたり一定速度で放出される prolonged-release 型,
  2. はじめに薬物の一定量が速やかに放出され,その後残りが徐々に放出される sustained release型,
  3. 薬物の放出が複数回にわたって間欠的に起こる repeat-action型,
がある。多くの徐放性粒子製剤が実用化されている。錠剤のような単一製剤(single unit dosage form)と異なり,多数の粒子からなる粉粒体(多単位製剤,multi-unit dosage form)の場合,異なる特性の粒子を混合することにより多様な徐放性製剤を製することができる。徐放化の機構は,
  1. 薬物粒子を高分子膜でコーティングしたり(カプセル型),薬物を高分子や脂質中に分散させた(マトリックス型),拡散型の放出制御,
  2. 生体内で被膜またはマトリックス高分子が溶解,分解または分散する溶解・分散型,
  3. 水中で膨潤して,この膨潤層を通して拡散放出される膨潤型,
  4. 浸透圧,蒸気圧,イオン交換反応,磁力,光,pH,温度により放出が制御される外部刺激制御型,
など多様なものが利用されている。

→ 薬物送達システム

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/9

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