粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

遠心沈降機

sedimentation centrifuge

 液中の懸濁物に,重力に代わり遠心力を作用させて沈降速度の増大を図る装置・無孔の回転容器を高速回転させることにより,懸濁物を外側あるいは内側に移動させ分離する。主な装置型式には,円筒型(シャープレス型),分離板型(ドラバル型)およびデカンター型がある。
 分離板型(ディスク型)は,そろばん玉の形をした回転容器内に傘型の分離板を 1~2 mm の間隔で数十枚から数百枚ほど重ねた装置で,遠心沈降面積は他の型式に比べると大きい。分離機構は傾斜板沈降装置と変わらない。回転数は最大約 200 s-1 で,回転容器の直径は 0.15~0.5 m である。沈殿物の排出方式により,回分式,容器周囲のノズルから排出する連続式,および容器を上下ニ分割し下部容器をわずかに押し下げることにより間欠的に排出する自動式がある。回分式は懸濁物濃度約 1 vol% 以下の希薄懸濁液の分離に,また連続式および自動式は 15〜20 vol% 程度の濃厚懸濁液の濃縮などに適用される。

→ シャープレス型遠心沈降機傾斜板沈降システムドラバル型遠心脱水機ディスク型遠心機

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/6/23

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