粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粒子径分布

particle size distribution

 粉体は多数の粒子の集合体であり,その粒子の大きさ(粒子径)には分布がある。粒子径分布を表現する方法には積算分布(cumulative size distribution)と頻度分布(frequency distribution)(分布密度,確率密度分布)がある。いま,粒子径 $x$ の最大値を $x_{\mathrm{max}}$,最小値を $x_{\mathrm{min}}$,粒子径区間 $\mathrm{d}x$ に含まれる粒子の量を $y(x)\mathrm{d}x$ とすると,$x$ より小さい粒子の総量が粉体全量に対して占める量的割合 $Q(x)$ は, $$ Q(x) = \frac{\int_{x_{\mathrm{min}}}^{x}y(x)\mathrm{d}x}{\int_{x_{\mathrm{min}}}^{x_{\mathrm{max}}}y(x)\mathrm{d}x} $$ で表わされる。これを積算分布という。以前は,粒子径分布測定がふるい分け(篩分け)で行われることが多かったので,上式で表わされる積算分布はふるい下分布(ふるいした積算分布)(under size distribution)と通称されている。これに対して,粒子径が $x$ より大なる粒子の総量が粉体全量に対して占める割合 $R(x)$ を表わす積算分布をふるい上分布(ふるい上積算分布).(over size distribution)といい,従来まで,粒子径分布の表示にはよく使われてきたが,現在は,積算分布はふるい下分布 $Q(x)$ で表示することが標準化されている。また,次式で定義される分布を頻度分布という。 $$ q(x) = \frac{\mathrm{d}Q(x)}{\mathrm{d}x} $$  また,「粒子径区間 $\mathrm{d}x$ の粒子が $y\,\mathrm{d}x$ [個] ある」のように,測定される粒子量 $y(x)\mathrm{d}x$ が個数であるならば,個数基準分布(number base distribution),「粒子径区間 $\mathrm{d}x$ の粒子が $y\,\mathrm{d}x$ [g] ある」のように,粒子量を質量(重量)で表示する場合は,質量基準分布(mass base distribution;重量基準分布,体積基準分布ともいう)といい,同じ粉体でも両者の分布は異なる。したがって,各種の頻度分布と積算分布を $q_{r}(x)$,$Q_{r}(x)$ のように表して,$r=0$ のとき個数基準(以下,1:長さ基準,2:面積基準,3:質量基準,-1:比表面積基準)のように区別して表示する。実際の粒子径分布の記述は数値を表やグラフにするのが通常であるが,簡単な分布関数で表現できる場合もある。この場合,対数正規分布とロジン・ラムラー分布が最も多く用いられている。

→  粒子径対数正規分布ロジン・ラムラー分布

執筆者:粉体工学用語辞典
編集:松山達(創価大学)
更新日:2021/06/20

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