粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

摩擦係数

friction factor

 物体同士を一定の法線力を加えて接触させ,接触面にせん断力(剪断力)を徐々に作用させたとき,せん断方向への運動に対する抵抗力を摩擦力という。接触面で物体間にせん断変位(滑り)が生じはじめるときの抵抗力を最大静止摩擦力(最大静摩擦力),せん断変位が一定速度で増加しているときの抵抗力を運動摩擦力(動摩擦力)という。物体の接触面に生じる最大静止摩擦力又は動摩擦力 F と両面間の法線力 N の比を摩擦係数 µ,その合力が法線力となす角度 φ を摩擦角と呼び,µ = F/N = tanφである。F が最大静止摩擦力か運動摩擦力かで φ を静摩擦角(静止摩擦角)または動摩擦角(運動摩擦角),µ を静摩擦係数(静止摩擦係数)または動摩擦係数(運動摩擦係数)という。粉体流動,変形,圧密などを考えるときは層全体を均一分散系とみなし,粒子群中に任意の平面を仮定し,粉体層—粉体層の境界面での相互作用を摩擦現象として取り扱う。これを内部摩擦といい,通常の摩擦と区別してたとえば内部摩擦係数というように関連用語に内部という言葉をつける。同様に壁面—粉体層の境界面での摩擦現象を壁面摩擦という。

→ 破壊包絡線内部摩擦角

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/15

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