粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

動摩擦角

angle of dynamic friction

 互いに接する二物体(あるいは,粉体層—粉体層)間に相対速度があるとき,両者間には運動を妨げる摩擦力(動摩擦力)が働く。接触面に働く垂直応力 σ と接線応力 τ の比 μ を動摩擦係数,これらの合応力と垂直応力のなす角 φ を動摩擦角という。粉体層に働くせん断力(剪断力)はせん断変位とともに直線的に増加する。しかし,せん断変位がさらに大きくなり層が崩壊すると,せん断時の垂直応力の大小によって,三つの異なったせん断過程を示す。しかし,いずれの場合も,さらにせん断変位が大きくなるとせん断力と空間率が一定で,せん断変位だけが増加する限界状態に達する。限界状態における垂直応力とせん断応力の関係を示す限界状態線は原点を通る直線となり,これと垂直応力軸のなす角は粉体層—粉体層間の動摩擦角に相当する。限界状態線は空間率に依存せず,粉体固有のものである。

→ せん(剪)断過程曲線(剪断過程曲線)破壊包絡線摩擦係数

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/16

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