粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

捕集剤,浮選捕集剤

collector

 浮選剤の一種で,目的鉱物の表面に吸着し,表面を疎水化する薬品。コールタール,ケロシンなどの油類,脂肪酸など炭化水素基を有する酸およびその塩,さらに,アミン誘導体など炭化水素基を有する塩基およびその塩に分類される。表に,主な捕集剤をまとめる。溶液の pH により捕集剤の粒子に対する吸着量が変化するため,pH の制御により選択的な浮選が可能になる。


表 主な捕集剤とその用途
試薬 化学構造 pH 主な用途
コールタール 自然浮遊性の鉱物
o-アルキルジチオカーボネイト
(ザンセート)
o-アルキルジチオカーボネイト 8 - 13 硫化鉱物,表面酸化された鉱物,白鉛鉱
ジアルキル-ジチオリン酸塩
(アエロフロート)
ジアルキル-ジチオリン酸塩 4 - 12 方鉛鉱からの銅と硫化亜鉛の選択的浮選
ジアルキル-ジチオカーボネイト ジアルキル-ジチオカーボネイト 5 - 12 ザンセートと同様な性質であるが効果的
イソプロピル-チオカーボネイト
(ミネレック 1661/Z-200)
ジアルキル-ジチオカーボネイト 4 - 9 黄銅鉱からの硫化銅の選択的浮選
メルカプトベンゾチアゾル メルカプトベンゾチアゾル 4 - 9
黄鉄鉱
4 - 5
硫化鉱物,表面酸化された鉛
ドデシルアミンの塩化物塩 岩塩鉱石からの塩化カリの分離,
シリカ,長石,酸化亜鉛鉱,粘土の浮選

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/17

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