流体中に懸濁している微細な固体粒子あるいは液体粒子に重力，遠心力あるいは静電気力などを作用させて分離する手法の総称。狭義には，液体中の固体粒子を重力場において分離することをいい，目的に応じて清澄分離，沈殿濃縮，分級などの操作がある。清澄分離は希薄懸濁液中の微細粒子を凝集剤で粗大化することにより除去し清澄な液を得ること，沈殿濃縮は清澄と同時に固体成分をできるだけ濃縮すること，および分級は粒子の大きさや密度の違いを利用して粒子を分別することをいう。重力場における沈降分離操作は，他の手法に比べて分離に要するエネルギーが比較的少なくてすむ。したがって希薄懸濁液を大量に処理する場合は，前段階として沈降分離を行ったあと，ろ過（濾過）などの高度分離操作を実行するのがよい。

→　 遠心沈降機，凝集沈殿，清澄分離，沈殿濃縮