粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

クリーンルーム

cleanroom

 空気中に含まれる浮遊粒子状物質(浮遊微生物を含む)が,ある清浄度レベル以下に管理された部屋。ここでは必要に応じて,温度,湿度,圧力などの環境条件についても管理が行われている。クリーンルームは,工業製品の製造工程で用いられるインダストリアルクリーンルームと,バイオテクノロジーの分野で用いられるバイオテクノロジカルクリーンルームに大別される。前者のほうが一般に空気清浄度が高く,内部は正圧に保たれるのに対し,後者は,浮遊微生物管理を主な目的とし,一般に負圧に保たれる。

 クリーンルームの形式は内部への清浄空気の導入方法により,壁または天井全面から導入される整流型(以前は層流型と呼ばれていた)と,それらの一部から吹き出される乱流型に分けられる。前者のほうが清浄度が高いが,エネルギー消費が大きいので,作業ゾーンだけを高度に清浄化したトンネル型がしばしば用いられる。1970 年頃までは,手術室や写真,発酵工場などごく一部でしか需要がなかったが,半導体の高集積化など製品のファイン化とともに,ほとんどの製造工程に設置されるようになり,同時に,内部での空気清浄化技術は著しく進歩した。

→ HEPAフィルターULPAフィルター

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/7

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