粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

吸入製剤

inhalation dosage form

 吸入製剤は,吸入を目的にしたエアゾール剤のことであり,医薬品の溶液,懸濁液などを,同一容器または別の容器に充塡した液化ガスまたは圧縮ガスの圧力により,用時噴出して用いる製剤である。エアゾール剤は,容器,バルブ,アクチュエーター,内容物(薬物)および噴射剤(プロペラント;propellant)から構成される。噴射剤としては,主として,フロン(CFC;クロロフルオロカーボン)などの液化ガスが用いられてきた。フロンは環境問題から,その使用が規制され,塩素を含まないフッ化炭化水素類の HFC(ヒドロフルオロカーボン)などの代替フロンが開発されている。微粒子製剤を直接吸入させる,ドライパウダー吸入製剤(dry powder inhalation:DPI)も開発されている。吸入剤の粒子径と,吸入された粒子の気道内での沈着部位との間には密接な関係があり,粒子径が,約 0.5 ~ 7 µm のものが肺深部(気管支,肺胞)に到達できるとされている。

→ ツインインピンジャー肺動力学

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/24

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