粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

キックの法則

Kick's law

 粉砕に要する仕事量 $W$ は砕料の体積に比例し,一定量の砕料の粉砕に要する仕事量は粉砕比で決まる,とした粉砕仕事法則の一つで次式で表わされる。 $$ W = C\ln \frac{x_{\mathrm{f}}}{x_{\mathrm{p}}} = C\ln R $$  ここで,$C$ は砕料によって決まる係数,$x_{\mathrm{f}}$,$x_{\mathrm{p}}$ はそれぞれ粉砕前後の粒子径を表わし,$R = x_{\mathrm{f}}/x_{\mathrm{p}}$ は粉砕比である。これは破壊直前までに固体に蓄えられるひずみエネルギーを粉砕に要する仕事量としている。上式を導くにあたりキックは以下の仮定を設けている。すなわち,粒子径 $x_{\mathrm{f}}$ の原料が何回かの粉砕を繰り返し,粒子径 $x_{\mathrm{p}}$ の砕成物 となるが,各粉砕での粉砕比,粉砕仕事量は一定である。砕料の強度は粒子径によって変化しない。このようにキックの法則は均一な固体の理想的な粉砕を考えているように思われる。

→  粉砕仕事法則

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/06/24

【広告】

  • 粉体工学用語辞典の一部の頁で,数式を表示するためにMathJaxを利用しています。
  • 数式がうまく表示されない場合は:
    • JavaScriptを有効にして下さい。
    • ブラウザを変更すると見えるようになる場合があります。
    • ブラウザに依っては数式を右クリックすることで「設定」メニューを呼び出せる場合があります。「Math Settings」→「Math Renderer」から別の設定を試してみて下さい。