粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

レイリー散乱

Reyleigh scattering

 粒子は照射光の波長に比べ十分小さく,その内部場の位相は外部とほとんど違わないという仮定のもとに導かれた光散乱の近似理論。粒子は照射光の電場強度に比例して振動するダイポールとして取り扱われる。適用範囲は球形粒子(直径 $D_{\mathrm{p}}$)の場合,屈折率を $m$,粒径パラメーターを $\alpha = \pi D_{\mathrm{p}}/\lambda$($\lambda$ は波長)として $\alpha \ll 1$ かつ $\alpha |m-1| \ll 1$ である。照射光 $I_{\mathrm{inc}}$ が偏光の場合,粒子から散乱角 $\theta$ 方向に距離 $r$ 離れた位置での散乱強度 $I_{\mathrm{sca}}$ は,観測面に水平および垂直な成分を添え字 $H$,$V$ で表すと,

$$ \left( \array{I_{\mathrm{H,sca}}\\I_{\mathrm{V,sca}}} \right) = \frac{\lambda ^{2} \alpha ^{6}}{4 \pi r^{2}} \left| \frac{m^{2}-1}{m^{2}+2} \right|^{2} \left( \array{I_{\mathrm{H,inc}} \cos ^{2} \theta \\ I_{\mathrm{V,inc}}} \right) $$
 自然光(無偏光)に対しては
$$ I_{\mathrm{sca}} = \frac{\lambda ^{2} \alpha ^{6}}{8 \pi r^{2}} \left| \frac{m^{2}-1}{m^{2}+2} \right|^{2} \left( 1+\cos ^{2} \theta \right)I_{\mathrm{inc}} $$

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/20

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