粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ルースのろ過速度式,ルースの濾過速度式

Ruth'sc filtration rate equation

 B.F.Ruth によって提案されたろ過におけるろ過速度を記述する方程式。
 ケークろ過におけるろ過速度 $u_{1}$ は次のルースのろ過速度式で表わされる。

$$ \frac{1}{u_{1}} = \frac{\mathrm{d}t}{\mathrm{d}v}=\frac{\mu \alpha_{\mathrm{av}}\rho_{\mathrm{f}}s}{p(1-ms)}(v+v_{\mathrm{m}}) \tag{1} $$
 ここに,$t$ はろ過時間,$v$ は単位ろ過面積当たりの積算ろ液量,$\mu$ はろ液粘度,$\alpha_{\mathrm{av}}$ は平均ろ過比抵抗,$\rho_{\mathrm{f}}$ はろ液密度,$s$ はスラリー中の固体の質量分率,$p$ はろ過圧力,$m$ はケーク湿乾質量比,$v_{\mathrm{m}}$ はろ材抵抗と等しい抵抗を与える仮想ケークを得るときの $v$ の値である。
 圧力 $p$ が一定の定圧ろ過では,$\alpha_{\mathrm{av}}$ および $m$ はろ過期間中一定とみなせるので,式 (1) を積分し,次式が得られる。 $$ (v+v_{\mathrm{m}})^{2} = K_{\mathrm{R}}(t+t_{\mathrm{m}}) \tag{2} $$  ただし, \begin{cases} & K_{\mathrm{R}} = \frac{2p(1-ms)}{\mu \rho_{\mathrm{f}}s\alpha_{\mathrm{av}}}, \tag {3} \\[7px] & t_{\mathrm{m}} = \frac{{v_{\mathrm{m}}}^{2}}{K_{\mathrm{R}}} \end{cases}  ここに,$t_{\mathrm{m}}$ は $v_{\mathrm{m}}$ を得るのに要する仮想ろ過時間,$K_{\mathrm{R}}$ はルースの定圧ろ過係数である。式 (3) を用いると,式 (1),式 (2) はそれぞれ次式のように書き改められる。 \begin{align} & \frac{\mathrm{d}t}{\mathrm{d} v} = \frac{1}{K_{\mathrm{R}}}(v+v_{\mathrm{m}}) \tag{4} \\[7px] & \frac{t}{v} = \frac{1}{K_{\mathrm{R}}}v + \frac{2}{K_{\mathrm{R}}}v_{\mathrm{m}} \tag{5} \end{align}  したがって,定圧ろ過実験データを $(\mathrm{d}t/\mathrm{d}v)$ 対 $v$ または $(t/v)$ 対 $v$ としてプロット(ルース・プロット)すると直線関係が得られる。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/06/22

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