粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粒子径偏析,粒度偏析

size segregation

 粒子径の差異による偏析で,粉粒体には粒度分布があるため他の粒子物性に比べて最も顕著な偏析といわれる。容器への充塡時には傾斜堆積面上を混合物が流下しながら,小粒子が下方へ浸透し静止層上での流下遅れと充塡のため供給点付近に集まり,偏析模様を呈する。この際,小粒子配合率が小さく供給速度が低く傾斜面が短いほど,小粒子の含まれる偏析領域が小さくなり偏析が顕著になる。容器からの排出時には,小粒子が大粒子の間隙を通リ早く排出口に到達するため,排出時の偏析模様を呈する。流動模様に基づく粒子の排出順序によっても偏析模様は大きく異なる。たとえば貯槽や移動層では,供給時の中央付近の小粒子が優先的に流出し,後で大粒子のみが流出する結果,顕著な偏析模様を呈する。水平回転円筒の軸方向では小粒子の配合率が高いとき,小粒子のみの分離帯が大粒子との混合帯と交互に生じる。回転円錐の場合にも,低速では大口径側に堆積物のピークができ小粒子割合が高くなり,高速では遠心力で逆になる。大粒子は,振動層では上方へ浮き,流動層では下方へ沈む,噴流層では中心部に集まる。

→ 表面偏析層内偏析

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/26

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