粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粒子偏析

particle segregation

 容器または堆積物内で着目粒子成分が偏在する現象のことで,物性の異なる粒子の混合物が種々の場で流動するときに起きる。重力場では,粒子混合物が平面上に堆積あるいは容器内で充塡・排出するときの供給点付近や,水平回転容器内で循環運動するときの軸周辺や軸方向,垂直振動層底部などに流動性の低い偏析成分が集まる。流動層噴流層でも流動化しにくい成分が底部や中央部に集まる。支配因子としては,操作条件と並んで粒子物性があり,その差異による流動性の違いから混合物が濃厚相で分離する。偏析成分としては小粒子,密粒子,角粒子,反発係数の小さい粒子などがあり,それぞれ粒度偏析密度偏析形状偏析反発偏析(反発力偏析)と呼ばれる。操作法から充塡時偏析,排出時偏析,あるいは状況から表層偏析層内偏析とも呼ばれる。偏析機構は,混合と類似で,偏析成分の浸透および流動模様により記述できる。その結果,偏析成分の混合率の供給点からの距離による変化,あるいは容器からの排出物の混合率と流量の経時変化として偏析模様が描かれ,種々の偏析度の定義で評価される。その結果,粒子偏析の防止策や利用法が提案されている。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/8/10

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