ジェニケ法により得られる粉体層の破壊包絡線は，層成形時の応力（σ_c , τ_c）を終点とする曲線群となる。この各破壊包絡線（PYL）の終点で包絡線に接するモールの応力円群は σ—τ 平面において原点を通る一本の直線に接することが，実験的に認められている。この直線を有効破壊包絡線（EYL），直線と σ 軸とのなす角 δ を有効摩擦角という。粉体層内が限界応力状態にあり，各位置における応力状態がそれぞれの破壊包絡線の終点付近にあると考えられる場合の粉体応力の計算には，有効摩擦角を用いるのが合理的である。非付着性粉体や付着性の少ないクーロン粉体では有効摩擦角は実際上内部摩擦角と一致する。

→　破壊包絡線，モールの応力円，三軸圧縮試験