粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ペクレ数,Pe 数

Peclet number

 運動する流体中に浮遊し,拡散する微粒子の対流項と拡散項の比を表わす無次元数。熱移動では,対流と伝導で生じる熱流束の比より表わされる。流れ場の代表速度を $u$,代表長さを $L$,代表温度差を $\varDelta T$ とし,流体の熱伝導度,密度,比熱をそれぞれ $k$,$\rho$,$C_{\mathrm{p}}$ とすると,対流によって運ばれる熱流束は $\rho C_{\mathrm{p}}u\varDelta T$,また伝導によって伝わる熱流束は $k\varDelta T/L$ と表わすことができるから,ペクレ数 $Pe$ は, $$ Pe = \frac{\rho C_{\mathrm{p}}uL}{k} $$ となり,またこれは, $$ Pe = \left( \frac{\rho C_{\mathrm{p}} \nu}{k} \right)\left( \frac{uL}{\nu} \right) = Pr\cdot Re $$ と,プラントル数 $Pr$ とレイノルズ数 $Re$ の積で表わすこともできる($\nu$ は動粘度)。物質移動に対しても同様の無次元数が定義でき, $$ Pe_{\mathrm{M}} = \frac{uL}{D} = Sc\cdot Re $$ であり($D$ は拡散係数,$Sc$ はシュミット数)であり,これもペクレ数と呼ばれている。$Pe \gg 1$ のときには拡散項が,$Pe \ll 1$ では対流項が無視できる。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/06/16

【広告】

  • 粉体工学用語辞典の一部の頁で,数式を表示するためにMathJaxを利用しています。
  • 数式がうまく表示されない場合は:
    • JavaScriptを有効にして下さい。
    • ブラウザを変更すると見えるようになる場合があります。
    • ブラウザに依っては数式を右クリックすることで「設定」メニューを呼び出せる場合があります。「Math Settings」→「Math Renderer」から別の設定を試してみて下さい。