粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

粉砕動力

grinding powder

 粉砕機の運転に要する動力(単位時間当たりのエネルギー)で,通常 [kW],あるいは(馬力)の単位で表わされる。粉砕動力は,一般に砕料粉砕処理する場合の全動力をいう場合が多いが,これから砕料を処理しない空運転時の空転動力を差し引いた動力をいう場合もある。実際の粉砕機を用いた粉砕における粉砕動力は,材料を粉砕するに必要な粉砕正味仕事のほかに,材料を供給しない空転動時に必要な仕事,材料を運搬するに必要な仕事,砕成物を分級するに必要な仕事,粉砕機や材料・空気などの温度上昇に使用される仕事,音や光に変わる仕事など種々の付加的な仕事を含んでいる。粉砕動力 [kW] と粉砕処理量 [kg h-1] との比は,ボンドの粉砕仕事指数に比例する因子として表わされ,砕料単位質量当たりの粉砕に実際に必要な粉砕仕事量として,砕料の被粉砕性の評価,ならびに粉砕機の特性評価やスケールアップにとって重要な意味をもつ。粉砕動力の測定は,積算電力計での積算値 [kW h] を時間 [h] で除した平均値を用いたり,クランプメーターと呼ばれる電力計を用いて行われることが多い。

→ ボンドの仕事指数(ボンドの粉砕仕事指数)

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/9/29

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