粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

付着・凝集性

adhesive-agglomerative property

 付着・凝集性は,一般に乾式粉体粒子に対して使われ,付着性は付着力により粉体粒子が器壁などにつこうとする性質で,凝集性は粒子同士が付着し凝集体をつくろうとする性質である。粒子の付着性は,接触点に作用する付着力と粒子に働く体積力(自重)の関係で決まる。自重は粒子径の 3 乗に比例して小さくなるが,付着力は粒子径の 3 乗以下の次数で小さくなるため,粒子が小さくなるほど相対的に付着力は増大し,付着性は増すことになる。さらに,粒子が小さくなると粉体中の粒子接触点数が増えるため,粗粉体よりも微粉体のほうが強い凝集性をもつことになる。接触点における付着力は,雰囲気や表面の状態(粗さや吸着物質など),履歴,時間効果などの影響を強く受けるため,付着・凝集性の強い粉体の取り扱いや管理は難しくなる。付着・凝集性の評価は目的に応じて,粉体層の引張強さ安息角充塡密度タッピング密度流動性分散性など様々な方法によって行われる。
 湿式の粉体の場合は,媒液の誘電率,溶存イオンの濃度と価数,ポリマーの吸着状態などによって決まる,粒子間の引力・反発力によって付着・凝集性は支配される。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/5/2

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