粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

フェライト

ferrite

 結晶構造は,立方晶系で MeO・Fe2O3 (Me;Fe,Co,Ni,Mn,Zn,Mg,Cu,Li,これらの混合の二価イオン)のスピネル型,六方晶系で M 型(マグネトプランバイト型) MFe12O19 (M;Ba,Pb,Sr),W 型 BaMe2Fe16O27,Y 型 Ba2Me2Fe12O22,Z 型 Ba3Me2Fe24O41,およびガーネット型の R3Fe5O12 (R;Y または希土類元素の三価イオン),に大別される。これら化合物の磁性は,酸素イオンを介して磁気モーメントをもつ金属イオン間に超交換相互作用が働き,強磁性(フェリ磁性)を示すものが多い。また組成的には,三価の鉄イオンを主成分とする酸化物群であり,化学的に安定な物質である。実用上は,ハードフェライトとソフトフェライトに分けられる。ハードフェライトの代表例は永久磁石であり,マグネトプランバイト型のバリウムフェライトやストロンチウムフェライトが主に使用されている。ソフトフェライトは,高透磁率材料やマイクロ波材料として用いられている。

執筆者:粉体工学用語辞典
編集:藤正督(名古屋工業大学)
更新日:2021/05/17

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