粉粒体貯槽からの排出は粉粒体の自重による重力排出が一般的であるが，付着性や固結性の大きな粉体や，粒度や成分の偏析や分離が生ずるものについては，機械的な強制排出など，排出装置に種々の工夫をこらしている。セメント，アルミナ，小麦粉などの貯槽では多少の違いはあるが，ホッパー部より空気を吹き出して粉体をスライドさせる排出方式を用いたものがある。また，固結やアーチを生じやすい粉体用には貯槽底部に振動ホッパーを取り付けたものがある。重力排出方式でもロータリーバルブ，スクリューフィーダー，テーブルフィーダーなどと貯蔵内容物の粉体物性によって方式が異なり，排出方式によってホッパー部の形状が異なってくる。この排出方式によって，排出時の貯槽壁に作用する粉体圧に大きな違いが生じるので構造設計上，特に注意を要する。また，排出口位置によって排出時の動的圧力に挙動の違いが生じることがあり，構造計画のうえで特に注意を要する点である。