粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

熱分解反応

thermal decomposition reaction

 水酸化物,炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などの金属塩の粉体を混合し,高温で加熱し熱分解し,複合金属酸化物などの粉体を生成する方法で,熱分解および粉砕操作により,原料粉より小さな粒子を得ることができる。一般に熱分解反応では,A(s) ⇄ B(s) + C(g),の反応が生じ,反応により分解ガスが発生する。
 この反応の機構はかなり複雑で,生成する物質の特性も分解温度や雰囲気のガスにより影響される。したがって,熱分解温度の決定,生成する粒子の形態,さらに粒子の焼結性は,用いる金属塩と熱分解温度に大きく支配される。
 熱分解温度の高い金属塩を用いると,熱分解温度と生成する酸化物粒子の焼結温度が近くなり,熱分解反応が進行するに従って粒子同士がくっつき凝集粒子となりやすいので,熱分解温度の低い金属塩を用いると活性な微粒子が得られやすい。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/19

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