粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

特定物質

specified substance

 大気汚染防止法においては,特定物質として同法第 17 条に物の合成,分解その他の化学処理にともない発生する物質のうち,人の健康または生活環境に被害を生じるおそれがある物質を政令で定めており,これを発生する施設を工場もしくは事業場に設置しているものは,施設について故障,破損その他の事故が発生し,特定物質が大気中に多量に排出されたときは,直ちに,その事故について応急の措置を講じ,かつその事故を速やかに復旧しなければならないとしている。特定物質は,大気汚染防止法施行令でアンモニア,フッ化水素など 28 種類が定められている。
 化学物質の審査および製造などの規制に関する法律では,化学物質による環境の汚染を防止するため,新規化学物質の製造輸入につき審査し,その製造,輸入,使用の規制を行うことを目的としている。その第2条第2項に,難分解性で生体内に蓄積性があり,継続的に摂取されると人の健康を損なうおそれのある化学物質を第1種特定化学物質,その物質が自然的作用で化学変化した物質が健康を損なうおそれのある物質を第2種特定化学物質と定めている。第1種特定化学物質には PCB や DDT など,第2種特定化学物質にはトリクロロエチレン,テトラクロロエチレンなどがある。
 労働環境に関しては,労働安全衛生施行令に特定化学物質が規定されており,石綿,カドミウム化合物などが指定されている。これらの物質の生産,取り扱いに関しては,特定化学物質など障害予防規則に従う必要がある。

→ 有害物質

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/16

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