等湿球温度線
constant wet-bulb temperature line
湿度図表において同一の湿球温度 $T_{\mathrm{w}}$ [K] を与える湿りガスの絶対湿度 $H$ [kg-H2O/kg-dri air] と温度 $T$ との関係を示した線で，次式を図示したものである。
$$
\frac{H_{\mathrm{w}}-H}{T-T_{\mathrm{w}}} = \frac{h_{\mathrm{G}}}{k_{\mathrm{H}} r_{\mathrm{w}}}
$$
ここで，$H_{\mathrm{w}}$ と $r_{\mathrm{w}}$ は湿球温度 $T_{\mathrm{w}}$ における飽和湿度と液の蒸発潜熱，$(h_{\mathrm{G}}/k_{\mathrm{H}})$ は気相境膜伝熱係数と湿度基準境膜物質移動係数の比である。水—空気系においては，
$$
\frac{h_{\mathrm{G}}}{k_{\mathrm{H}}} = 0.26\ \mathrm{cal/gK} = 1.088\ \mathrm{kJ/kgK}
$$
である。この値は空気の湿り比熱の値とほぼ等しいので，等湿球温度線は断熱冷却線と一致する。また，飽和空気の湿り比熱も同程度の値であることから，等湿球温度線は等エンタルピー線ともほぼー致する。したがって，定率乾燥期間における。熱風乾燥器内の空気の温度と湿度は，これらの線に沿って変化すると考えてよい。
→
湿球温度，断熱冷却線，定率乾燥速度
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