粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

凍結乾燥法

freeze drying method, lyophilization

 湿った材料を予備凍結し,系をその凍結物の水蒸気圧以下に減圧にすることにより,氷を昇華させて,材料を乾燥する方法。固形材料のほか,溶液や懸濁液の濃縮や乾燥にも用いられる。凍結乾燥器は,減圧にするための真空ポンプ,昇華により生じた水蒸気を凍結して捕集するコールドトラップ,材料の容器を入れる乾燥チャンバーからなる。コールドトラップは,材料よりもはるかに低温に保ち,コールドトラップ上の氷の水蒸気圧をチャンバー内よりも下げる必要がある。本法は,熱による材料の分解をさけることができるので,タンパク質をはじめ,血液,酵素,ワクチン,ホルモン,抗生物質などの活性を損なわずに乾燥,粉末化することができる。本法で得られる乾燥物は多孔性で表面積が大きく溶解しやすい。結晶性物質は非晶質化して安定性が低下することがあるので注意が必要である。

→  噴霧乾燥法

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/07/15

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