空気輸送において粉体の流動様式が浮遊分散流となる輸送をいう。粒子を管内に均一に分散するには空気速度は粒子の浮遊速度より十分大きくしなければならない。輸送速度が大きいため管路閉塞がなく安定な輸送が行えるが，消費動力，被輸送物の破砕，管路の摩耗が大きく，被輸送物の分離回収や集塵に工夫を要する。空気速度を下げると水平管では粒子は管底近くを輸送されるようになり圧力損失も減少する。圧力損失が最小となる風速では管軸方向に濃度の疎密を生じ，鉛直管では管壁近傍で濃度が大きくなり逆流をともなう。設計ではこの風速が選ばれる。圧力降下のため空気は下流に向かって膨張し，管径が同じ場合，空気速度は増加するので，管入口で設計速度を確保する必要がある。風量が大きいため圧送式では空気源にターボ型の送風機が使用される。

→　低圧圧送式，輸送管内流動様式，浮遊速度