粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

単純圧縮法

unconfined compression test

 円筒形状あるいは直方形状に成形した粉粒体試料を軸方向のみから圧縮し,その破壊強度を求める試験法。三軸圧縮試験において静水圧力をゼロとする場合に相当し,一軸圧縮法とも呼ばれている。供試体は半径方向にふくらんで座屈するか,軸方向に対して傾斜した面でせん断破壊(剪断破壊)するか,軸方向分離破壊する。流動性を有する粉体には適用することができない。単純圧縮試験(σ1 > 0,σ3 = 0)は,引張試験(σ3 < 0,σ1 = 0),圧裂引張試験(σ1 > 0,σ3 = σ1/3)と併用して,せん断応力—垂直応力座標上にモールの応力円包絡線を描くことにより,せん断強度を求めるのに用いられる。ここで,σ1,σ3主応力を示し,圧縮を正とする。円筒容器内に疎充塡した粉粒体試料を一軸圧縮し,圧縮応力と空間率あるいはかさ密度(嵩密度)との関係を求める圧縮特性の試験法としても用いられるが,この場合,容器壁面—粉体間に摩擦力が働くため,厳密には単純圧縮にはならない。

→  三軸圧縮試験

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/10

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