粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

棚段乾燥機

tray dryer

 乾燥室内に 10 段程度の棚を設けて,粉粒体材料,ペースト状材料,フレーク状材料,成形材料,凍結材料の乾燥に使用される回分式乾燥装置である。回分式であるので少量・多品種の材料の乾燥や,温度を適宜変えてゆくプログラム制御方式などに適している。トレー,金網,多孔板上に材料を載せ,材料表面に並行に熱風を送るか,材料層の空隙に熱風を強制通気させて乾燥が行われ,材料は静置状態にあるため振動や衝撃を受けず,破砕などの損傷がない。乾燥機内に空気加熱器を備えている形式が多い。通気流による場合の乾燥速度は並行流の 3 〜 10 倍に及び,伝熱容量係数は粉粒体材料で 3500 〜 9000 W K-1 m-3 に達する。真空棚段乾燥機では熱に敏感な材料を非凍結,凍結状態で伝導,ふく射加熱により乾燥する。総括伝熱係数は 10 〜 50 W K-1 m-2 程度である。真空乾燥機では円筒型装置も用いられるが,装置形状としては通常箱型が多いので箱型乾燥機と呼ばれることも多い。

→  真空乾燥,真空乾燥装置乾燥装置

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/13

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