粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ダイラタンシー

dilatancy

 粗大粒子群がある充塡状態にあるとき,急激に外力が加わることにより,より疎な充塡状態に変化し,粒子相の膨張を起こす現象またはその性質をいう。たとえば粒子濃度の大きいペースト状の懸濁液に外力が加わり,粒子がゆるい充塡状態に移るとその粒子間隙に液体が吸い込まれて,懸濁液が流動しにくくなったり,時によっては一見,乾燥したように見えることもある。デンプンのペーストなどは弱い外力下では流動するが,強く攪拌しようとすると流動に対する抵抗を増す。この場合,いわゆる流動曲線は,せん断速度(剪断速度)を増すにつれて見掛け粘度が増加する特性を示す。このような流動曲線の特性もダイラタンシーと呼ぶ。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/17

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