粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

対数透過則

log-penetration law

 集塵装置や固液分離装置など各種の粒子分離装置において,粒子濃度が装置の長さ方向に対数的に減少する現象であり,次式で表現できる。 $$ \ln \left( \frac{C_{\mathrm{o}}}{C_{\mathrm{i}}} \right) = -kL $$  ここで,$C_{\mathrm{i}}$ と $C_{\mathrm{o}}$ は分離装置の入口および出口濃度であり,$L$ は装置の長さである。また $k$ は装置の幾何学的形状と分離速度沈着速度)により定まる定数である。
 対数透過式は分離速度と装置の分離効率の橋渡しをする式であり,粒子の性状,操作条件,装置の寸法が与えられれば分離効率が予測できるので,分離効率推定の基礎式として重要な意味をもつ。表にいくつかの分離装置の対数透過式における $k$ の値をまとめて示す。

表 対数透過式の係数 $k$ の値
 分離装置  $k$ の値 記号
 水平流型重力沈降装置  $$\frac{u_{\mathrm{g}}B}{Q}$$ $u_{\mathrm{g}}$:終末沈降速度
$B$:装置の幅
$Q$:流体の体積流量
 管型電気集塵装置  $$\frac{\pi D u_{\mathrm{e}}}{Q}$$ $u_{\mathrm{e}}$:静電気平均移動度
$D$:管内径
 粒子充填層フィルター  $$\left( \frac{2}{3} \right) \left( \frac{\alpha}{1-\alpha} \right) \left( \frac{\eta}{D_{\mathrm{e}}} \right)$$ $\eta$:単一球捕集効率
$D_{\mathrm{e}}$:球径
$\alpha$:球充填率
 繊維充填層フィルター  $$\left( \frac{4}{\pi} \right) \left( \frac{\alpha}{1-\alpha} \right) \left( \frac{\eta}{D_{\mathrm{f}}} \right)$$ $\eta$:単一繊維捕集効率
$D_{\mathrm{f}}$:繊維径
$\alpha$:繊維充填率

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/05/17

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