粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ゾル・ゲル法

sol-gel method

 酸化物の微粉体,薄膜あるいは塊状物を低温で調製する方法。この方法では,通常,原料として種々の金属アルコキシドを含むアルコール溶液(あるいはその他の有機溶媒)中で,触媒の存在下で,金属アルコキシドや無機塩の加水分解およびそれに続く重縮合反応により酸化物前駆体を低温生成する。生成する前駆体の構造は,用いた金属アルコキシドの性質に依存して水酸化物,水和物あるいはそれらの混合物となる。また,金属アルコキシドを酸触媒下で加水分解すると polymeric 前駆体となり,塩基性触媒下で加水分解すると colloidal 前駆体となる。球状の微粉体の調製にはアンモニアを触媒として用いる。ゾル・ゲル法では,触媒の種類,水/アルコキシド比,反応温度,溶媒の種類,アルコキシド濃度などにより反応制御を行う。理想的なゾル・ゲル法では,分子レベルで組成が均質な微粉体(単分散微粒子),薄膜,あるいはナノ多結晶体をかなり低温で調製できる。これは,ゲルのもつ高い自由エネルギーを利用できるからである。

→ アルコキシド法

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/17

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