粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

選鉱

mineral processing, mineral dressing

 採掘された鉱石(原鉱,粗鉱)を主に物理処理し,できる限り純粋な形で有用鉱物を分離・回収する一連の操作。一般に鉱石は,有価物である鉱物と,大量の脈石と呼ばれる無価値な鉱物からなる。この大量の無価値な脈石を取り除き,品位の高い鉱物(精鉱)として精錬プロセスに供することが選鉱の目的である。選鉱プロセスではまず,粗鉱を約 74 µm 以下に粉砕し,鉱物と脈石の単体分離を図る。この過程で,ふるい分け(篩分け)比重選鉱重選により脈石の一部は廃石として除去される。さらに浮遊選鉱や比重選鉱,磁力選鉱,静電選鉱などにより選別し,市場価値のある精鉱を得る。硫化物をはじめ広く多くの鉱物に対して浮遊選鉱が用いられる。浮遊選鉱が困難な酸化物やケイ酸塩鉱物に対しては比重液選鉱が行われる。また,鉄,チタンなどの鉱物には磁力選鉱が用いられる。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/29

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