粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

繊維層フィルター,繊維充塡層フィルター

fibrous filter

 繊維を所定の厚さに充塡したろ過集塵装置(濾過集塵装置)で,主として空気清浄用に利用される。市販のエアーフィルターの大部分は繊維層構造である。ろ材としては,ガラス繊維が最も広く用いられているが,セルロースや,ポリエステルなどの合成繊維も使われる。繊維層は空隙率が高く通常 95 % 以上あるため,層内部に入った空気中の微粒子は,互いに十分な距離を隔てて存在する一本の繊維により捕集されるので,古くから単一繊維捕集効率の研究が行われており,この結果と対数透過式とより,任意の構造の繊維層の捕集効率推定が可能となった。繊維層フィルターは,繊維径,充塡率,層厚さを変えることにより,集塵率圧力損失を幅広くコントロールできるので,エアロゾルの性状がわかれば,容易に希望する清浄度の空気を得ることができる。

→  エアーフィルター充塡層フィルター単一繊維捕集効率対数透過則HEPAフィルター

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/08/29

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