粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

ゼオライト

zeolite

 ゼオライトは結晶性のアルミノケイ酸塩であり,主要な化学組成は SiO2,Al2O3,H2O,Na2O,K2O,CaO である。その結晶水は加熱によって放出され水蒸気となることからゼオライトと命名され,沸石と邦訳されている。結晶水を包蔵している細孔は結晶水を失うと種々の気体分子を吸着する。極性分子を強く吸着するが,非極性分子も吸着することができる。天然および合成ゼオライトを合わせた一般式は,一価および二価のカチオンをそれぞれ MI と MII とすると,次のように表わされる。

(MI, MII(1/2))m (AlmSinO2(m+n)) ・ x H2O (n ≥ m)

 ここで,MI は Li+,Na+,K+ など,MII はCa2+,Mg2+,Ba2+ などである。用途としては吸着剤,脱臭剤,水質浄化剤および触媒などに利用されている。最近では石炭灰からも,水酸化ナトリウムと水熱反応させて人工ゼオライトを作成することもでき,排水浄化剤(NH4+ の吸着)としての利用も試みられている。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/09/01

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