粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

スモッグ

smog

 亜硫酸ガス,浮遊粉塵,光化学オキシダントなどの大気汚染物質が,温度逆転層の停滞にともない上空への対流拡散が阻害されて地表近くに蓄積し,汚染物質の地表濃度が異常に高くなった状態をいう。Smoke と fog から合成された言葉である。
 主なスモッグとしては次の二種類がある。

  1. ロンドン型スモッグ:1952 年 12 月,ロンドンで大規模なスモッグが発生し,呼吸器疾患による死者が 4000 名に達した。汚染物質は石炭燃焼排ガス中の亜硫酸ガスと粉塵であった。ロンドンではその後もしばしば類似のスモッグ事件が起きており,このようなスモッグをロンドン型スモッグと呼んでいる。
  2. カリフォルニア型スモッグ:米国カリフォルニア州,特にロスアンゼルス地区では 1960 年以降,光化学オキシダントによるスモッグがしばしば発生している。光化学オキシダントは石油燃焼排ガス中の炭化水素と窒素酸化物から光化学反応によって生成し,粘膜への刺激や呼吸器への影響がある。このようなスモッグをカリフォルニア型スモッグないし光化学スモッグと呼んでいる。

→  大気汚染光化学スモッグ

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/09/06

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