粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

水力輸送

hydraulic conveying

 水力輸送は固液混相流によって固体を管路輸送する方法で,固気混相空気輸送と原理は同じである。したがって,特徴も共通した部分が多いが,空気輸送との最も大きな違いは水の質量が大きいために輸送される固体粒子の重さよりも水の輸送重量のほうが大きくなることである。これは車両運搬の場合に積載物よりも車の重量のほうが大きい場合に相当するので輸送効率は低くなるわけだが,粒体が水に浮遊しやすく摩擦係数が小さいので動力係数は比較的小さく,空気輸送の 1/10 程度になり,チェーンコンベヤと同程度である。
 水力輸送の特徴はパイプだけで数百 km までも輸送できることで,現在,石炭輸送,埋立て用,干拓用などに広く使われている。輸送量は管径によって違うが,直径 200 mm で 100 t h-1 程度である。空気輸送の場合と異なり圧力による体積の変化がないから,距離に無関係に配管輸送径および水の速度を一定に保てる点が有利である。速度は大体 2 m s-1 前後,距離は数百 m から数 km のものが多いが,中には数百 km に達する長距離輸送を行う場合もある。輸送濃度,すなわち固体と液体の混合比は質量濃度で 10 ~ 30 % 程度で,輸送物の数倍の水が必要である。したがって,埈渫時の土砂運搬や坑内からの石炭の輸送などのように,大量の水が容易に得られるところでないと使用できない。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2022/1/14

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