粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

浸漬熱,湿潤熱

heat of immersion

 清浄な表面をもち,化学反応も溶解もしない粉体を液体中に沈めた場合,固気界面が固液界面と置き換わることにより発生する熱のことをいい,通常は発熱が起きる。これは,粉体の表面において,固気界面のエンタルピーが固液界面のエンタルピーと置き換わり,系全体のエンタルピー変化が発熱量として観察されるからであり,粉体単位表面積当たりの発熱量が浸漬熱(湿潤熱)として定義される。浸漬の過程における系の体積変化は,通常の場合,無視することができるので,発熱量がこの系の内部エネルギーの変化と解釈される。浸漬熱は固気界面が固液界面に置き換わったエンタルピ一変化のみを表わすため,その正確な測定と詳細な解析から,固液界面における相互作用機構や,界面層の形成エネルギーなどを知ることが可能である。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2022/1/19

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