粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

充塡

packing

 粒子をある空間に詰めること,あるいはその詰め込み方をさす。充塡は粉粒体を容器に貯蔵したり,型に入れて成形するなどの製造過程としてばかりでなく,粉粒体の流動性付着性を示す物理的な性質の一つとしても重要である。充塡層内の空間が多い場合は疎充塡,空間の少ない場合は密充塡と呼ばれ,疎充塡をする場合には粉体粒子をできるだけ衝撃を与えずに堆積させる方法がとられ,たとえば容器内径よりもやや小さな外径の内管に粉体を充塡し,内管をゆっくりと引き上げる二重管引き上げ充塡や,ふるい(篩)を通して粉体を容器に降らせながら充塡する方法などの充塡方法が用いられる。それに対して,密充塡をする場合には外力を粉粒体層に加える充塡方法,たとえば容器に充塡した粉体をピストンで加圧して圧密するピストン加圧充塡,粉体層に棒を突き入れる棒突き充塡や粉体を容器ごと一定の高さから落とした衝撃で充塡するタッピング充塡,遠心力を加える遠心充塡などの方法が用いられる。充塡密度は粒子径粒子径分布の幅や粒子形状,付着性や摩擦などによっても大きく影響される。

→ 充塡構造遠心充塡

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/17

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