粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

磁性材料

magnetic material

 一般的には磁気的な性質を利用する物質の総称であるが,通常は,強磁性体(フェリ磁性体を含む)を示す。同じものでも,その要求される特性や用途によって,薄膜,バルク,粉体などいろいろな形態が存在する場合がある。応用面からは,磁気異方性の大小により,硬質磁性材料(永久磁石),半硬質磁性材料と軟質磁性材料(高透磁率材料)に分類される。硬質磁性材料は保磁力が大きく,主に永久磁石や磁気記録用に使われている。永久磁石としては,アルニコ型合金磁石,酸化物磁石,希土類磁石に分類され,磁気記録用には,コバルト被着型酸化鉄や針状鉄コバルト系合金磁性粉,バリウムフェライト粉などが主流である。半硬質磁性材料は,高い残留磁束密度と中間的な保磁力を有し,高い角型比が要求され,Cr,Co 系合金,Fe 系合金などが,主にリレー,スイッチ,ヒステレシスモーター用などに使われている。軟質磁性材料としては,抗磁力が低く,飽和磁束密度の高い,高透磁率材料が代表的なもので,Fe 系金属・合金としては磁性鋼,ケイ素鋼板,パーマロイなどがあり,酸化物材料としては,Mn-Zn,Ni-Zn 系のような複合フェライトが用いられている。そのほかの磁性材料として,マイクロ波材料,磁歪材料,磁性流体などがある。

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/21

【広告】