粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

サンプルサイズ

sample size

  1. 1つのサンプルの中に含まれる粒子の個数のこと。サンプル(標本)を何回か採取した場合にこの回数(に対応するデータの集合としての標本の個数)をサンプル数(標本数)という。サンプル(集合としての標本)の個数がサンプル数,この1つのサンプルに含まれる粒子の数がサンプルサイズである。しばしば混用されるので注意したい。

  2. サンプリングが満たす条件は,採取したサンプルが混合物全体を代表していることと,混合状態を乱さないことである。サンプルの量をどの程度まで小さくしても元の混合物の状態を表わしているかを推定するには,統計的な扱いが必要である。二成分混合物中にA粒子が $p$ の比率で含まれているときに,この中から $n$ 個の粒子を取り出したところ$X$ 個のA粒子が含まれていたとすると,サンプル比率は
    $$ p(s)=\frac{X}{n} $$
    である。この $p(s)$ を知って,元の混合物中のA粒子の比率 $p$ を 95 % の信頼度で推定できる区間は,次式で近似できる(ただし,混合比率が 0 や 1 に極端に片寄らない条件で)。
    $$ p(s)-1.96\sqrt{\frac{p(s)(1-p(s))}{n}}\,<\,p\,<\,p(s)+1.96\sqrt{\frac{p(s)(1-p(s))}{n}} $$
     ここで,$n$ を大きくすれば元の混合物の比率の推定精度は高くなるが,大きすぎると解析時間がかかったりと,他のサンプリングの条件を満たさなくなる場合がある。

執筆者:粉体工学用語辞典
編集:松山達(創価大学)
更新日:2021/05/12

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