粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

サイロ

silo

 サイロとは粉粒体をばら状態で貯蔵するたて型貯槽のことである。一般に「サイロ」という言葉は,粉粒体を貯蔵するすべてのたて型ばら積み貯槽の総称として使用される場合がある。サイロはバンカーと比較して比較的貯槽高さの高い容器に対して使用されていて,一般的に貯槽の直径または幅に対する高さの比が 1 : 1.5 以上のものをサイロという。
 サイロの原語学的な意味は,silo の古語 は sylo であって,その語源は,ギリシャ語 σειρζ または σρσζ に相当するもので,土中の乾燥した穴を意味したものであるといわれている。他の一説によれば,スペイン語の sylos に由来するものであるといわれている。すなわち,スペイン地方で原始的な穀物貯蔵法として土中にビンを埋め,その中に穀物を貯蔵する方法が早くから考えられていたのである。そのため sylos なる語はこのように土の中に掘られた穀物貯蔵用の穴を意味したものである。その後転じて穀物を一定量いれるビンのような容器,さらに転じて穀物の一定容量を示す単位の名称ともなった。それが現在では穀物を貯蔵する貯蔵建築物を意味し,さらに穀物以外の粉粒体のばら積み貯槽の名称に用いられるようになった。
 サイロの形状はいろいろであるが,一般 に円形,矩形,六角形,八角形の水平断面を基本形としているたて型貯槽である。通常貯槽下部に一個または数個の排出口をもち,ホッパー部の傾斜壁をもつ場合や平底型の場合などがある。
 古くはサイロは木材やれんがでつくられていたが,現在では,鉄筋コンクリート造,コンクリートブロック造,鋼鈑製,アルミニュウム製,FRP 製などの多種の素材でつくられている。 

→ 貯槽ホッパー

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/17

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