粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

サイクロン

cyclone

 流体とともに旋回運動する粒子に与えられる遠心力によって流体中から粒子を分離する装置のこと。液体中の粒子分離に対しては液体サイクロンハイドロサイクロン)といい,気体中のときは乾式サイクロン(ガスサイクロン)と呼ぶ。代表的遠心式集塵機であり通常サイクロンといえば乾式サイクロンをいう。サイクロンは自由渦流により粒子に遠心力を与えるもので,可動部分がなく構造も簡単で,分離性能も比較的よいので広く実用されている。サイクロンの入口形状には接線流入式,半円周渦巻式,全円周渦巻式があり,捕集性能は全円周渦巻式がよい。乾式サイクロンの入口速度は通常 10 ~ 20 m s-1,圧損は 1 〜 2 kPa (100 〜 200 mm 水柱)で分離径は 1 µm 程度以上である。また湿式サイクロンの入口速度は 1 ~ 5 m s-1,圧力は 10 ~ 20 kPa (1000 ~ 2000 mm 水柱)で分離径は約 10 µm 以上となる。ただし分離径はサイクロン直径の平方根に比例するため,小型の場合はより分離径を小さくできる。高性能化するにはブローダウン方式の採用や,捕集箱入口部への逆円錐の設置がよい。

→ マルチサイクロンダストボックス

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/10/13

【広告】