気相中での過飽和比 S は，p_l/p_s で表わされ，p_l は雰囲気の蒸気圧で，p_s は温度 T における液体の飽和蒸気圧である。過飽和度は，S-1 の値として定義される。過飽和雰囲気の生成法は，物理的冷却法と化学反応法に分類される。蒸気を含むガスが過飽和の状態となる場合として，断熱膨張，低温ガスとの混合，放射や伝導による冷却などがあげられる。化学反応では，反応生成物の濃度が平衡濃度より高くなると過飽和の状態となる。溶液中での過飽和比は，物質の飽和溶解度に対する溶液中の濃度の比で定義される。過飽和比は，粒子の発生および成長を決定する重要な因子で，粒子の均一および不均一核生成　速度および凝縮による成長速度は，過飽和比の関数となる。