粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

回転ミル,転動ミル

tumbling mill

 水平軸を中心として回転円筒の中に,その容積の約 1/3 を満たす量の粉砕媒体(ボール,ロッドなど)を充填し,これを回転させることによって原料の粉砕を行う装置。回転円筒(シェル)の回転速度は臨界回転数の 55 ~ 80 % 程度が普通である。シェルの内壁には多くの場合,内張り(ライナー)が張られており,ライナーはシェルの摩耗を防止するとともに,その形状の選択によって,ミルの粉砕効果を助長する重要な役割をもっている。ライナーとしては鋼鉄,けい石,アルミナ磁器,ゴムなどの材料が使用される。
 シェルの形状としては円筒型がもっと一般的であり,円筒型の回転ミルはシリンドリカルミル(cylindrical mill)と呼ばれる。シリンドリカルミルのうちで,(長さ)/(直径)比が 2 以上のものはチューブミル(tube mill)とも呼ばれる。また短い円筒部の両端に円錐形の部分を付属した形状のミルはシリンドロコニカルミル(cylindro-conical mill),略してコニカルミルと呼ばれる。
 ブロワーにより粉砕産物を吸引・排出するミルはエアースエプトミル(air-swept mill)と呼ばれている。また中間の粉砕媒体仕切り用目皿板を設けたチューブミルはコンパートメントミル(compartment mill)と呼ばれている。
 一部の形式を除き,回転ミルは乾式,湿式の両方に使われている。

→ ボールミルロッドミルチューブミルコニカルミル

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/11

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