粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

回折

diffraction

 光が物体によってさえぎられるとき,その物体の縁辺部から入射光が回り込む現象をいう。これは光の波動としての性質によるものである。回り込んだ光の干渉によって前方(入射光の進行方向)で明暗のパターン(回折パターン)が観察される。粒子から十分離れた前方で観察される回折はフラウンホーファー回折と呼ばれる。粒子による回折パターンは,バビネの原理により,遮光板に粒子投影像と同じ形状の開口がある場合の回折パターンと同じになる。なお,粒子による光散乱パターン(の前方小角領域)がフラウンホーファー回折によって近似できるのは,粒子が入射光を完全に遮る場合であり,それには,粒子が不透明でかつ粒子径が入射光の波長より十分大きいことが条件になる。

→ フラウンホーファー回折ミー散乱レーザー回折・散乱法

執筆者:松山達(創価大学)
更新日:2021/07/10


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