粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

解膠剤(かいこうざい)

deflocculant

 粉体—液体系で粒子集合体を分散させる機能をもつ添加剤で,pH の調整や表面の性質を変化させる物質が用いられる。鋳込み成形スラリーの調整に汎用され,粘度を低下させて低水分で優れた流動性を有するスラリーが得られる。炭酸ソーダ(ソーダ灰)やケイ酸ソーダ(水ガラス)などの伝統的な無機質と,高分子系の有機材とがある。無機系解膠剤は微量でも焼結体に残留するため,特に非粘土系物では注意を有するが,有機系解膠剤は乾燥や脱脂工程で除去される。また解膠状態は添加有機剤の分子量により変化し,分子量が大きくなると効果は下がる。いずれの解膠剤も種類が非常に多く,素地によって最適の解膠状態が異なるため,その選択はノウハウとなることが多い。なお粉体系では分散剤というのが一般的である。

→ 分散剤

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/9

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