粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

オスモティック水

osmotic water

 固体の表面には,格子欠陥や吸着イオンなど局所的に電気的中性を乱す原因となる点が多数存在している。その結果,水は電気化学的な力により固体表面に弱く結合した状態になっている。そのような水をオスモティック水と呼ぶ。オスモティック水は,あらゆる固体の表面近傍に存在するはずであるが,その量が少ないため観測されにくい。しかし,水で十分湿った粘土のように,コロイド微粒子が水中に懸濁するとき,粒子の比表面積が大きいため,その存在を容易に観測することができる。オスモティック水は,吸着水と同じく結合水の一種であるが,吸着水と異なり自由水と同じ蒸気圧を示す。オスモティック水が減少するにつれて粒子間距離が小さくなるので,材料収縮が生じるとともにオスモティック吸引力は急激に増大する。

→ オスモティック吸引力吸引圧毛管圧力

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/7/1

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