液中凝集粒子の分散のためには，媒体の流動，衝突，超音波が利用される。媒体流動による分散では，凝集粒子が部位によって異なる流体抗力を受けることを利用する。せん断流れ（剪断流れ）や伸張流れの定常流れが有効なのは比較的ゆるい凝集体に対してで，分散に有効なのはオリフィス収縮流のような急激な加速場である。攪拌による分散のように流れ場の強度に分布があると，分散にばらつきが生じ，効率的な分散は期待できない。媒体流動による分散は比較的よく検討されており。理論的推算も可能で，凝集粒子は分裂分散で分散される。
　衝突分散では，壁面や介在物への衝突により分散され，衝突時に凝集体内部に生じる応力が凝集体の強度を上回る場合に分散する。主に気相中の凝集粒子に対して用いられ，液相中の凝集粒子に対して用いる場合は高圧噴射が必要となる。
　超音波分散は，凝集粒子の分散に有効で，個々の構成粒子にまで分散することも可能である。超音波分散は，単位体積当たり照射された総エネルギーに依存し，侵食分散であることが知られている。効率的分散には，媒体の流動，衝突による粗分散，超音波分散による仕上げ分散がよいとされている。

→　オリフィス収縮流，分裂分散，衝突分散，超音波分散，侵食分散