粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

鋳込み成型

slip casting

 原料粉体を溶媒中に懸濁・分散させた泥しょう(泥漿)(スリップまたはスラリーと呼ぶ)を石こうなど吸水性の多孔質鋳型に人れて,型壁に着肉層を形成させ,乾燥後に脱型して成形体を得るセラミックス成形方法。家庭用陶磁器や衛生陶器の成形法として発達してきたが,複雑形状品の成形が可能なこと,設備費が安価なことからファインセラミックスの分野でも利用されている。低濃度のスリップを流し込み,着肉後に排泥する排泥鋳込み成形と,濃厚なスリップを鋳型に流し込み,そのまま固化させる固形鋳込み成形とがある。鋳込み泥しようには流動性,着肉速度が適正範囲にあり,脱型性,保形性,加工性が優れているなどの性質が要求される。加圧鋳込み,減圧鋳込み,振動鋳込み,電気泳動鋳込みなど型の吸水性に頼らぬ成形法もある。

→ 排泥鋳込み成形法固形鋳込み成形法

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/6/2

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