粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

圧電結晶粉塵計,圧電結晶振動型粉塵計
ピエゾバランス粉塵計(商品名)

piezoelectric aerosol mass monitor

 水晶などの圧電効果(ピエゾ効果)を有する単結晶からっくられた圧電結晶振動子の共振周波数は,振動部の質量によって変化する。振動子上に空気中の粉塵子を捕集堆積させて,その共振周波数の変化から堆積粉塵量を求める装置が圧電結晶粉塵計である。水晶振動子の共振周波数 $f$ は,振動部の質量を $m$ とすると, $$ f = N \frac{A \rho}{m} $$ で与えられる。ここで,$A$,$\rho$ はそれぞれ振動子の振動部の面積と密度であり,$N$ は振動子の定数である。またその感度は周波数と質量の変化率, $$ \frac{\mathit{\Delta} f}{\mathit{\Delta} m} = -\frac{C_{\mathrm{f}}}{A} $$ で与えられる。ここで,$C_{\mathrm{f}}$ は振動子に固有の感度定数であり,百数十 Hz/µg と高感度である。
 ピエゾバランス粉塵計はその商品名で,図のように慣性衝突によってあらかじめ大粒子を除去した粉塵を静電気力で振動子上に沈着させ,粒子堆積による共振周波数変化から質量濃度に換算して表示する構造となっている。
 ほかにこの原理を用い,振動子をカスケードインパクターの捕集板とすることにより粉塵の粒子径分布を求める装置(商品名QCMカスケードインパクター)も市販されている。

→  カスケードインパクター


ピエゾバランス粉塵計
執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/4/14

【広告】

  • 粉体工学用語辞典の一部の頁で,数式を表示するためにMathJaxを利用しています。
  • 数式がうまく表示されない場合は:
    • JavaScriptを有効にして下さい。
    • ブラウザを変更すると見えるようになる場合があります。
    • ブラウザに依っては数式を右クリックすることで「設定」メニューを呼び出せる場合があります。「Math Settings」→「Math Renderer」から別の設定を試してみて下さい。